くらし情報『NY市警察で働く日本女性、危険な街で仕事続ける理由』

2017年9月23日 11:00

NY市警察で働く日本女性、危険な街で仕事続ける理由

抵抗する男を、中庭に止めたパトカーの後部座席に力ずくで押し込んだときだった。

「気づいたら、数百人の住民が、私たちを取り囲んでいたんですね。口々に警察の悪口を言い始めたと思ったら、いろんな物を投げつけてきて。私の腕にも中身の入った重いトマト缶が当たりました」(京美さん)

深夜2時。京美さんは怒号と物が飛び交う中を、同僚が運転するパトカーを背後に従えるように歩いた。車のライトに照らされながら、震えそうになる足を押さえ、ゆっくりとその場を後にした。

「じつはこの日、容疑者逮捕の直前に私、迷子になってたんです。低所得者用団地って内部が入り組んで迷路のようなんですね。
そこで私、容疑者も同僚も見失ってしまって。そのとき私1人で、あの群衆に囲まれていたらと思うと、ちょっとゾッとします。彼らは銃を持っているから、殺されていたかもしれない」(京美さん)

警察官となって、はや10年。「事件が多すぎて、いろいろ忘れたけど」と笑うが、若い女性や子どもが被害者の事件は、強く印象に残っている。

「5年前の傷害事件はつらかったですね。

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