デビューから14年…高良健吾「髪型は坊主が大好きです」
「普通ではないけれど、これはこれでひとつの家族の形だと思います。僕はこの親子2人の人生を否定する気もないです。登場人物たちは何かずっと傷ついて生きているけど、ふとしたことをきっかけに新しい関係が始まる。それがこの映画の魅力だと思っています」
そう話すのは、取材場所に丸刈り姿で現れた高良健吾(29)。ちょうど撮影と撮影の合間の時期で髪形の自由が利くらしい。「もともと坊主が好きなんです」と言い、はにかんだ。
変幻自在に髪形や見た目を変えてあらゆる役柄に挑んできた彼が、映画『月と雷』(10月7日より全国ロードショー)で演じたのは、恋人を次々と替える自由奔放な母(草刈民代)の息子・智だ。荒んだ生活を送る母に合わせて、すみかと生活環境の変化を強いられてきた智。
それでも人懐っこさから、行く先々で誰からも好かれる不思議な少年だ。
「智は普通に考えたらちょっと理解できないことがたくさんある人物ですけど、嫌なやつには見せたくなかった。そこは意識しました。だから僕がまず智のことを好きになり、味方であることを心がけました。智と似ている点はないけれど、僕も父親が転勤族で、幼少期にいろいろな場所を転々としているところは共通しているかな」