実の娘が受け取り拒否…専門家が語る“遺骨遺棄”事情
――。引取り手のない遺骨=無縁遺骨の事情に詳しい葬送・終活コンサルタントの吉川美津子さんは、次のように解説する。
「社会問題化している老後貧困や、家族関係の問題などがこの根底にはあります。’07年に、病死した夫の遺骨を遺棄して書類送検された女性は、『お墓を建てるお金がなかった』と供述し、不起訴処分となりましたが、供養したくてもできない人がいることも事実。お寺の門前に放置されていたり、電車の網棚に、あたかも“忘れ物”のごとく置きっぱなしにするケースも報告されています。今年1月にはJR東京駅のコインロッカーに妻の遺骨を納めた骨壺を捨てたとして、74歳の男が死体遺棄容疑で逮捕された事件もありました」(吉川さん・以下同)
放置された遺骨の引取り手が見つかったとしても、こんなケースも……。
「実の父親の遺骨なのに『もう何十年も音信不通だったんだし……』と拒否する娘さんもいたようです。引取り手のない遺骨は全国的に増加中で、静岡県浜松市では自治体に届けられる遺骨が納骨堂の収容限界の1,000件に近づき、500人分の遺骨を業者に委託したほどです」