批判一切気にせず…東ちづるが目指す「誰も排除しない社会」
(長谷川さん)
関心を持ってほしくて東さんは知恵を絞る。『月夜のからくりハウス』のコピーは刺激的だ。
《見世物小屋のドキドキ感が復活!》
「テレビ画面や一般の舞台で彼らのことを見慣れていないから、現実の社会でも見て見ぬふりをされて、街に出にくいから、ますますいないことになる。この悪循環をなんとかしたいんです」(東さん)
障害者が登場する舞台を「けしからん」と怒る人には、無自覚な差別意識があるのではないかと東さんは言う。演者の1人、佐藤ひらりさんの母親・絵美さん(43)も同意見だ。
「娘も私も、『日本のスティービー・ワンダーを目指す』って勝手に言ってるんですけど(笑)。そのためにも、見てもらってナンボなんです」(絵美さん)
ちなみにチケットは公演の2週間前に完売した。
「この『月夜のからくりハウス』には弱者は一人も出ていません。
皆が対等な立場で舞台に上がって、チケット代をきちんといただいて、彼らにきちんとギャラをお支払いする。そういう舞台です」(東さん)
この舞台の先に、東さんが目指すのは――。