川中美幸 最後は寝たきり…涙で語る亡き母の老老介護3年間
「最後のほうは“要介護5”になりました。“要介護5”は自分で排泄や食事ができない、ほとんど寝たきりに近い状態です。夜中も『大丈夫かな』って半分、起きてる状態なので慢性的な睡眠不足でしたね。肌は荒れ、顔はむくんでいますから、人前に出る仕事をしている身として失格ですよ」
それでも、ステージに立てば“明るく元気な川中美幸”を演じなければならない。
「歌っているときは元気でいられるんですが、いったん舞台を降りて帰宅すると急に不調を感じるんです。でもやっぱり、悔いを残したくない。いまできることを精一杯やらなきゃいけない、と頑張りました。昔、母ががむしゃらに働いて家の借金を返し、私たち子供を養ってくれた時期がありました。
そんな母の必死な姿を見ていますから、『今度は私が母を世話しなくちゃ!』という思いがひと一倍強かったんだと思います」
いまも、亡き母の言葉や教えが川中の心強い支えになっている。
「母は苦しいときほど、笑っていました。逆境でも逃げないで立ち向かっていくんです。