娘の無実を晴らすため、西山令子さんは懸命のリハビリで言葉を取り戻す
だからお引き受けしたんです」(井戸弁護士)
井戸弁護士という心強い味方を得て行われた第2次再審請求。しかし、再審への扉はなかなか開かない。’15年9月、第2次再審請求は大津地裁で棄却。美香さんらは大阪高裁に即時抗告。美香さんは’17年8月24日、罪が晴れないまま満期出所した。
そうして迎えた昨年12月20日、大阪高裁での審判の日。“本件について再審を開始する”という通知を受け取った美香さんは、その場に泣き崩れた。勝ち取ることが困難な再審決定。
そんな“開かずの扉”が開いた瞬間だった。再審決定の通知を聞いた両親の心境はどうだったのか。
「ビックリしました。うれしかったですけどダメやったらまた、お父さんがどれほど怒るかわからへんと思ったら、そっちの方が心配でした」(令子さん)
両親の願いはたったひとつ。一日も早く“無罪”が確定し、美香さんが幸せになってくれることだ。
「私らも、これから年をとっていくし、いつまで生きていられるかわかりません。