2018年4月20日 06:00
「巡業先の土俵は“女人禁制”ではない」慶大名誉教授が解説
女性が上がった後、観客から『なぜ女性が土俵に上がるのか』という声が起きて、若い行司が慌ててアナウンスしたようです」
ここで疑問なのは、なぜ「女性は土俵に上がってはいけない」という考えを持つ人がいるのか、ということ--。
諸説あるなか、大相撲の歴史について、鈴木さんはこう説明してくれた。
「大相撲は1350年の伝統があるともいわれていますが、古代からの『相撲節会(すまいのせちえ)』はいまの大相撲とは別物。現代の大相撲のはじまりは、江戸時代に土俵が作られてからだと考えています」(鈴木さん・以下同)
じつは、その当時は女相撲の興行も人気だったようで、男女の取り組みなども見世物として行われていたという。
「ところが明治5年、文明開化の日本において、男女相撲は“公序良俗に反する”と禁止されたのです。女相撲の人気は続きましたが、いっぽうで“土俵の神聖化”が進められました」
そして明治42年、大相撲が“国技”と名付けられ、2年後には国技館を設置。