くらし情報『「巡業先の土俵は“女人禁制”ではない」慶大名誉教授が解説』

2018年4月20日 06:00

「巡業先の土俵は“女人禁制”ではない」慶大名誉教授が解説

昭和6年には、国技館の屋根が伊勢神宮と同じ神明造りに。新たな儀式も作り出されて、土俵が神聖化されていった。

「土俵は本場所が始まる1週間前に壊して、“清浄な土”を使い、4日間かけて新たに作ります。初日前日の土俵祭では、相撲三神と東西南北の四方の神を祭って、行司が神道式の祝詞をあげ、五穀豊穣を祈って《神迎え》をするんです。古来、日本人は神聖な場所と世俗の場所をしっかり区別していました。神聖な場所に入るときには、水や塩で清めたり、肉類を1週間食べないなどの作法を必要としていました」

大相撲では土俵の神聖化が進み、一般人は男性でも作法を守らないと上がれなくなり、特に女性には厳しく、土俵に上がることはできなくなってしまった――。

「平安時代以前より、神聖な場所において『血』はタブー視されていました。出産や月経のある女性は“不浄な穢れがある”、と刷り込まれてしまっていたのでしょう」

霊山に女性が登拝すると天変地異が起こるといった伝承も、多く残っているという。
“神聖な場所に女性は立ち入ることができない”……いつしかそこがこの国では暗黙のルールとなってしまった。

関連記事
新着くらしまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.