2018年5月31日 11:00
「人生は一度きり」是枝裕和監督の原点にあった亡き父の言葉
親友の母が振り返る。
「コレちゃんが映画の道へ進もうとしたとき、お母さんは『もう少し堅実な仕事に就いたほうが……』と心配していたそうです。でもそんなとき、お父さんは『人生は一度きりなんだから、自分の好きな道を選びなさい』と言ってくれたそうです。お父さんは戦争で足を負傷されたそうで、リハビリに通われていました。そんな経験をされたお父さんだからこそ、息子には夢に向かって進んでほしいと思われたのかもしれませんね」
だが残念ながら、その父は息子の成功を見ることなく早逝してしまう。是枝監督は父の言葉を胸に、いっそう夢に向かって邁進した。そんな思いが“家族映画”の原動力にーー。是枝監督は『海街diary』についてのインタビューで、こう語っている。
「死んでしまったからって、どこかにいなくなっちゃうわけじゃない。なぜかって言うと“死んだ人のことを考える時間”がどうしたって、増えるから」
背中を押してくれた父はきっと、今回の受賞を祝福してくれているだろう。
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