2023年12月8日 18:00
Kroi、マルチプレイヤー集団Ovallと初の対バン ジャンルレスな音楽が響き渡る一夜【宮城公演ライブレポート】
では、ギターをハンドマイクに持ち替えた内田がステージを動き回る。ファンクとソウルが同居したサウンドの中、リズム隊の2人が躍動していた。
変則のリズムをクールに繋ぐ益田のドラムソロからなだれ込んだ「Funky GUNSLINGER」は、哀愁漂う長谷部のギターの音色から内田のラップに移る自由自在な表現力が光る。長谷部がギターをかき鳴らすと、無国籍感漂う夢心地な雰囲気から一気に現実世界に引き戻されたような感覚になった。
これまでの彼らのライブは、超絶スキルを全編通して惜しみなく全力でぶつけ続けている印象があった。だが今回、あえて『引く』ことを選んで演奏している場面が度々見られた。各々のソロプレイの時が顕著で、ソロ以外がこれまで以上に『引く』ことで、どうソロを聴かせたいのか、楽曲のイメージをどう伝えたいのかが、非常に明確に見えるようになっていた。
聞けば、ツアー前にメンバー全員で合宿を行い、先輩アーティスト達との対バン、さらにその先の武道館公演に備えていたんだとか。
ジャズ要素も含んだ大人でダークなサウンドにオーディエンスが酔いしれた「侵攻」、千葉のキーボードと関のベースで妖艶さが増した「WATAGUMO」。