2021年11月25日 12:00
最も向き合いたい作品を集めたステージが実現 小菅優ピアノリサイタル
同じく晩年の集大成ともいえるドビュッシーの前奏曲集から水、火や風の描写に五感が刺激される作品を選曲しました。そして武満の独自の神秘的な色彩感や音と音の間に魅了され、10代のころから演奏してきた「雨の樹 素描」を、彼の敬愛する作曲家たちの作品と共にお届けしたいと思います。
後半はソナタ形式をもとに自由な構想で描いた、27歳のベートーヴェンのソナタ「悲愴」、シンフォニーの研究を積み重ねていた時期の25歳のシューベルトの「さすらい人幻想曲」を。両作品からは人間の孤独感や内なる叫びがドラマチックに展開し、それぞれの異なった葛藤が現れる傑作です。これらのソナタやシンフォニーは楽章に分かれつつも一つのストーリーにまとめられ、歌や舞曲などの様々な枠の中でそれぞれの役目を果たし、あらゆる心情を表しながら頂点に向かいます。それはまるで一つの人生のように綴られています。』(小菅 優)
次のプロジェクトでは、「ソナタ」というテーマの中で、古典派に限らずバロックから現代まで羽を伸ばし、その多彩で画期的な音楽の真髄を追っていきたいと語る小菅優。その過程にある一つの頂を体験する貴重な機会が目前だ。
<公演概要>
2022年1月21日(金)