2022年12月9日 18:00
【ライブレポート】いずれ“現象”が追いついてくると予感させる、RQNY初ワンマン・ライブを観た。
初のワンマンは、とても鮮烈なライブだった。ステージはDATSのMONJOEを従えた、1本のマイクとひとりのDJという編成。演出や仕掛けもなく、MCもほとんどなく、ひたすらビートに乗せて歌っていく。オープニングから未発表曲を披露し、オーディエンスへも「RQNYです、よろしくお願いします」と挨拶したり「ありがとう」と告げたりする以外はほぼ言葉を挟むことなく立て続けに歌っていく。
かなりミニマルなパフォーマンスだ。それでも惹き込まれるようなものがあった。曲が持っている求心力とRQNY自身のアーティストとしての存在感だけで、目が離せなくなるような感じがあった。まずシンプルに歌がいい。
ピッチもフロウもビシッと決まっていて、加えて声に独特の色気のようなものが宿っている。そして、楽曲自体にはダークで内に向かうようなテイストを持つものも多いけれど、ライブのパフォーマンスには目の前のオーディエンスを巻き込んでいくようなテンションが宿っている。「夢に戻り目を覚ます」では観客に呼びかけハンドクラップで熱狂を生み出していく。
インタビューではマイケル・ジャクソンが音楽との出会いと憧れになりXXXテンタシオンに触発されて表現を始めたということを語っていたRQNY。