くらし情報『十和田市現代美術館で待望の日本初個展が開催中『劉建華(リュウ・ジェンホァ) 中空を注ぐ』』

2023年7月6日 17:00

十和田市現代美術館で待望の日本初個展が開催中『劉建華(リュウ・ジェンホァ) 中空を注ぐ』

今展では、2001〜2022年の21年間で制作した作品で構成。すべて磁器でできているがその表情は多様だ。

展示室に入るや、“磁器の瓦礫”に圧倒される。タイヤ、靴、楽器、テレビなど、さまざまな日用品が床に転がる廃墟のような光景。作家やその家族、友人が使用したものから型を取り制作した《遺棄》という作品だ。焼成に失敗して叩き割った磁器の破片が工房の玄関先などに放置されている郷里の風景もベースにあるという。なかでも飛行機の破片とぬいぐるみに目が留まる。飛行機事故のニュースから命の儚さを感じた記憶も発想源のひとつとなっている。


十和田市現代美術館で待望の日本初個展が開催中『劉建華(リュウ・ジェンホァ) 中空を注ぐ』

撮影:小山田邦哉


《遺棄》、中央は《塔器》撮影:小山田邦哉
この《遺棄》の中央にあるのは《塔器》という最新作だ。作家は「塔」を、古代から仏教における舎利を納めた精神の象徴であると考え、中が空洞である器の形に注目。棚には磁器の口や首の部分だけが展示され、その下の見えない形を想像させる。

この《遺棄》と《塔器》の組み合わせは初の試みだそうだ。2011年に東日本大震災のチャリティ展『Hearts Towada Exhibition』に参加したこともある劉は、世界の災厄にも心を寄せているのだろう。

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