2022年9月1日 12:00
竹内涼真は“柔らかで、芯の強い人” 映画『アキラとあきら』撮影現場レポート②
と投げかける山崎。ふたりがお互いの心の内をぶつけ、言い合いとなる場面だ。
撮影ではカメラを回す前にまず段取りが行われて、芝居と動きと全体のトーンが固められ、カメラワークやカット割りも検討されていくが、ここが話し合いの場ともなる。監督がシーンの状況と人物の心情を説明。それを受けてキャスト陣が実際に動きながら芝居をしてみて、それを受けて監督が考えたもの、キャスト陣が感じたことが話し合われていく。
そもそもこのとき、山崎は座っているべきなのか、立っているべきなのか。最初の段取りでは立ち上がって芝居をしていた竹内だったが、山崎が冷静に座っていることで階堂が感情的になっていることが引き立つかもしれないと監督に相談。
それに対して監督は、山崎が冷静になり過ぎてしまうと、今度は階堂の「感情的な話には付き合えない」が効いてこないかもしれないと感想を述べる。
そうした細かにして深いやりとりが、何度も重ねられていく。
さらに言えば、この再会は入行から10年が過ぎてのシーン。20代から30代となった山崎と階堂の変化も示さなければいけないところで、どうすれば成長を見せられたうえでふたりの本来の人間性を出せるのか、お互いの感情を高め合うことができるのか、横浜も交えながら懇々と話し合いが行われていた。