2022年9月27日 15:30
それぞれ違う景色を見せた2Days BUCK-TICK35周年記念ライブ『THE PARADE』オフィシャルレポート
というメッセージが印象的だった。思想や感情はストーリーに昇華して歌詞世界に落とし込む櫻井が、今回のメニューでここまで強くメッセージを露わにするのには、それなりの覚悟もあっただろう。その眼差しは鋭く、歌声は力強くもあり、慈愛にも満ちていた。
両日それぞれ21曲のうち約半分の10曲が固定曲だったが、そこに加えた11曲により違う景色を味わうことができた。1日目はインダストリアルなEDMナンバー「ICONOCLASM」からスタート。ステージ前に降りたままのスクリーンの向こうから、硬質なハンマービートとエッジの効いたギターリフ、無機質な低音ヴォイスがレーザーと共に繰り出される。荘厳な「BABEL」を経て、ヤガミ・トール(Ds)の張り詰めたドラムイントロから骨太なグルーヴで展開する「唄」、メランコリックな「月下麗人」へと流れる。櫻井の「いらっしゃいませ。
楽しんでね」とちょっと科を作った短いMCは、「舞夢マイム」の入り口。台湾の九份のような街並みから部屋の中へとクローズアップした映像の中で、黒いつばの広い帽子と椅子、ちらりと見える太ももを使って、なんとも艶やかな男女の駆け引きを一人演じる櫻井。ハイパーな疾走感で駆け抜ける「狂気のデッドヒート」