猿之助の五役早替り『蜘蛛の絲宿直噺』ほか見どころ満載 歌舞伎座『吉例顔見世大歌舞伎』開幕
第四部は歌舞伎の義太夫狂言、三大名作の一つ『義経千本桜』四段目の切にあたる通称「四の切」。
吉野の川連法眼館にかくまわれている義経の下へ家臣の佐藤忠信がやってくる。そこへもう一人の忠信が到着したと告げられ、不審に思った義経は忠信の詮議を命じる。伏見稲荷で別れた静御前の共をしていた忠信は、実は狐の子。義経から静へと下された初音の鼓の皮に用いられたのは、狐忠信の両親のものだった。忠信の姿に変えて静を護りながら付き添ってきた忠信。義経は心打たれて......。
本物の忠信と狐忠信の演じ分けや狐詞という独特の台詞回し、早替りや神出鬼没な出もあり見所がたくさん。
中村獅童の佐藤忠信/佐藤忠信実は源九郎狐、市川染五郎の源義経、市川團子の駿河次郎、澤村國矢の亀井六郎、中村莟玉が静御前。本日より11月26日(木)まで
文:五十川晶子
歌舞伎座『吉例顔見世大歌舞伎』
2020年11月1日(日)~2020年11月26日(木)
会場:歌舞伎座(東京)