ピクサーのキャラクターはどうやって生まれるのか? 日本人アーティスト村山佳子が語る
だから本作でもまずはしっかりと原点に戻って、そこから新しい感情をどのような形にするのか考え始めました。
厳密ではないのですが、本作から登場する“新しい感情たち”は前作のキャラクターとペアになるようにデザインしました。ムカムカは三角形なので、イイナーは富士山の形にして(笑)、カナシミは涙の形なので、ハズカシは似たようなデザインのタマゴ型に。シンパイのデザインは別のアーティストが担当されたのですが、彼女によると『ビビリが“縦の線”で構成されているので、シンパイは“横の線”でデザインした』そうです」
イイナーのコンセプト画。富士山のシルエットになっている。
本作に登場するキャラクターは個性的でパッと見ただけで記憶に残るデザインだが、サイズも、頭身もバラバラ。しかし、なぜか同じ画面にいても違和感がない。
「言われると確かにそうですね(笑)。
頭の中の世界は本当に自由度が高いので、だからこそ新しい感情をデザインする時には必ず『インサイド・ヘッド』に登場した感情のデザインのラインに合わせるようにしたんです。それぞれのキャラクターが世界観に合ってるかどうかは、ニュアンスなんですよね。何か明確な理由があって“これは世界観に合っている!”って言葉で説明できるものではないんですけど、それぞれのキャラクターを横に立たせてみると自然と“ああ、合ってるね”と思える。