ピクサーのキャラクターはどうやって生まれるのか? 日本人アーティスト村山佳子が語る
“これ”という答えはないんですけど、やっていく過程で、これがオリジナルのデザインに一番近いかな、というものになる。これは他のアニメーションにはない工程ですよね(笑)。すごい時間がかかりました」
多くの人は“アニメーションのデザイン”と聞くと、紙の上に何かを描いていく作業をイメージするかもしれない。しかし、実際の作業は想像から始まり、紙の上で手を動かして試行錯誤が繰り返され、それがデジタルの立体モデルになり、髪の毛や輪郭に効果が足されることでバランスを何度も調整し……観客が“気づくか気づかないかわからないレベルのこだわり”が集まっているのだ。
「本当にそう思います。私の作業はまだ単純な方なんですよね。私の仕事はキャラクターの形を決めること。でも、私のデザインから実際のスクリーンに登場するまでいくのが本当に大変なんです。
私もモデリングやシェーディング(キャラクターの陰影をつけていく作業)のミーティングに参加していなかったら、このこだわりに絶対に気づいていなかったと思います。
みなさん本当に時間をかけてキャラクターの輪郭の粒子のサイズや、髪の毛のキラキラだったり、ヨロコビのアイライナーのサイズ、笑った時に顔のパーツがどれぐらいあがるのか徹底的に研究するんです。