ピクサーのキャラクターはどうやって生まれるのか? 日本人アーティスト村山佳子が語る
その感覚にすごく気をつけて描きました。
基本的にはどのキャラクターもすごくシンプルなんです。1作目のキャラクターをデザインされたアルバート・ロザーノさんが短期間だけ参加してくださったので、デザインを見てもらって”もし、1作目のデザインに寄せるなら、このラインを変えると流れがよくなるよ”ということも教えていただきました」
村山が最初に描くのは、紙の上の2Dのデザイン。その後、キャラクターたちは3Dモデルになり、縦横無尽に動き、さまざまな角度から描かれることになる。
「そうなんです。これはあくまでも“動かすためのデザイン”です。だから、デザインの段階でもキャラクターのポーズを何枚か描いて、3Dモデルの方が作業する前の段階で“ここはこのような動きをさせたいです”とお願いしたりしました。
デザインはすべて“動くこと”を考え、複数のポーズも描かれる
私がキャラクター・アート・ディレクターに就任したときにロザーノさんから『デザインをする時点で、他の部署の人たちを招待しなさい』とアドバイスをいただいたんです。
デザインする段階から、3Dモデルをつくる方、アニメーションの部門の方にもデザインを見せて、後続の作業に問題になるようなデザインがあれば、その時点で修正していきました。