ピクサーのキャラクターはどうやって生まれるのか? 日本人アーティスト村山佳子が語る
感情たちの着ている洋服も、それ専門の部門があって、本当に細かく探りながらやっていましたね」
村山の生み出したデザインは、多数の部門のアーティストたちのこだわり、研究の成果が加わって、やっと画面に登場するヨロコビやイイナーになるのだ。彼女は「みんなのアイデアがつまっていて本当にうれしいんです」と笑みを見せる。
「私は無からキャラクターを生み出していくデザインという作業が楽しいんですね。でも、そこからキャラクターを手放して、モデルになり、アニメーション、シェーディングを経て、ボイスタレントの方が声を入れて……キャラクターが画面に登場する頃には、私の知らないキャラクターになっているんですよ。
この映画は完成版をなかなか観るタイミングがなくて、最後のスタッフのパーティの日にやっと観たんですけど、スクリーンに登場するキャラクターは私のまったく知らない子なんですけど、みんなのアイデアがつまっていて本当にうれしいんです。
同僚の方が言っていたのは『私たちアーティストは“起爆剤”みたいなもの』だと。最初に火をつけて、ジーーーーーーっと待って(笑)、最後にスクリーンでドーンと爆発する。だから私たちが関わったのは本当に最初の部分だけなんですけど、スタッフの方が本当にがんばってくださって映画が出来ている。