妖精と人間の戦い描く『マレフィセント2』が現代の観客へ伝えるメッセージ
しかし、彼らの存在こそが、人間vs妖精のバトルの引き金となってしまう。本作は「自分とは違う」存在との共生を拒むことで、争いが巻き起こってしまう現代社会が鏡のように映し出されている。
ダーク・フェイは、マレフィセントとよく似た角と翼をもつ妖精の一団で、人間からの迫害を逃れ洞窟のような巣でコミュニティを形成している。来る第92回アカデミー賞では、赤いリップが印象的なマレフィセントをはじめ、ダーク・フェイたちの特殊メイクが注目され、メイク・ヘアスタイリング賞受賞が期待されている。
ダーク・フェイは皆、それぞれに違った能力や才能を持った互いを認め合い、ときに衝突しながらも共生している。その様子をアンジェリーナ・ジョリーは「ダーク・フェイの美しさは、彼らが真の多様性を体現しているところにある」と評している。
アンジェリーナ・ジョリー自身も、人権問題や女性の地位向上など幅広い慈善活動を行い、養子と実子を合わせて6人の母親として生きる姿が、多くの人々に感銘を与えている。そして、マレフィセントとオーロラ姫、マレフィセントと忠実なワタリガラスのディアヴァルとの関係性を通して、「血のつながりだけが、家族を定義づけるものではない」