くらし情報『【レポート】笑いと謎とノスタルジーが絡み合う、爽快なミステリーコメディ『月とシネマ2023』』

2023年11月16日 12:00

【レポート】笑いと謎とノスタルジーが絡み合う、爽快なミステリーコメディ『月とシネマ2023』

も大反対。市の職員の瑞帆(清水くるみ)が映画館をメインとした町起こし、その目玉となる映画作りの企画を進めているという。そこに気鋭の映画監督として呼ばれたのは、並木と過去に因縁のある榊(今井朋彦)だった。瑞帆の上司・村上(木下政治)や同僚で婚約者の深野(奥田一平)、謎めいた街金の男・児玉(村杉蝉之介)、そして並木の元妻でフリーライターの万智子(永作博美)と、ひとクセありそうなキャラクターが続々登場。昭和の香り漂う映画館を舞台に、それぞれの思惑がぶつかり合う。

【レポート】笑いと謎とノスタルジーが絡み合う、爽快なミステリーコメディ『月とシネマ2023』

『月とシネマ2023』より、左から)永作博美、中井貴一撮影:加藤幸広
映画館存続の問題を引き金に並木の生い立ちの真実を探るミステリーコメディで、巧みな展開にグイグイと引き込まれていった。主演の中井を取り巻く上記のキャスト、すべての人物の造形が粒立っていて、その繋がりの妙が秀逸だ。現在と過去の回想シーンのシームレスな転換も心地よく、ここではとくに、ひたむきな表現が好印象の藤原、明瞭な声と安定感が光る清水、ふたりの若き実力者が鮮やかに多役をこなして大活躍を見せる。
たかおのボソッと放つ破壊力ある一言が爆笑を誘い、今井の憎らしいほど巧い嫌味な表現もその奥には創作への真摯が覗く。

関連記事
新着くらしまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.