2021年7月11日 07:00
『連続ドラマW 華麗なる一族』を支えた美術と衣装のパワー、強力監督タッグの演出も冴えわたる
一方、外出先での相子はエレガントにデザインされた“勝負服”を身にまとい、万俵家の閨閥結婚を成功に導いていく。美術セット同様に、俳優の芝居を後押しする衣装のパワーを実感したい。
監督を務めたのは西浦正記(『コードブルー』シリーズほか)、池澤辰也(『WOWOW×東海テレビ共同製作連続ドラマ ミラー・ツインズSeason1&Season2』ほか)という強力タッグだ。原作をほぼ映像化できる全12話というボリュームで、エンタテインメントに徹しながら、男たちのたぎる欲望と、女性たちの繊細な心象というコントラストを意識した演出が冴えわたる。役者たちの一挙手一投足を捉えるカメラワークも、既成のテレビドラマの枠を超えたダイナミックなもので、一瞬も視聴者を飽きさせない。
放送を前にした4月、都内で行われた記者発表会に出席した中井貴一は「一番助けてもらったのは、スタッフでした。コロナ禍という時代の中で、本当に不自由をしなければならない撮影が続きましたし、ロケ地もお借りできないこともあり、一生懸命(他の)ロケ地を探したり……」と労をねぎらった。特に美術について「とても素晴らしいセットを作ってくれました」