くらし情報『加藤拓也「友達の話を聞きに行く感覚で観にきて」 新作『いつぞやは』執筆のきっかけは相手の死後も残るSNS上の会話への違和感』

2023年6月30日 12:00

加藤拓也「友達の話を聞きに行く感覚で観にきて」 新作『いつぞやは』執筆のきっかけは相手の死後も残るSNS上の会話への違和感

加藤拓也


今年岸田國士戯曲賞を受賞するなど、気鋭の劇作家・演出家として注目を集める加藤拓也。キャストには、加藤作品初参加となる窪田正孝ら実力派6人を迎え、新作オリジナル『いつぞやは』を上演する。癌を患い、死を意識せざるを得なくなった男・一戸。かつての劇団仲間である松坂のほか、友人や同級生たちと再会を果たしていく中で、一戸にある変化が……。間もなく開始される稽古を前に、作品にかける想いを加藤に語ってもらった。

亡くなった人の会話が残る。それが不思議な感覚だなと

――別のインタビューで、「ホンを書くもとになるのは自分の衝動」というお話をされていました。この『いつぞやは』に関しては、どんな衝動がもとになっているのでしょうか?

友人や知り合いが亡くなっても、SNSで繋がっているとその履歴って残るんですよね。
フォローを外すのも難しいし、相手のアカウントが残っているのもちょっと辛い。亡くなってもういないはずの人の会話が、ある空間には生きている言葉として残っている。それが不思議な感覚だなと感じたからです。

加藤拓也「友達の話を聞きに行く感覚で観にきて」 新作『いつぞやは』執筆のきっかけは相手の死後も残るSNS上の会話への違和感

『いつぞやは』チラシ
――本作の主人公である一戸はステージ4の癌患者ですが、死に直面する原因になぜ癌を選ばれたのでしょうか?

祖父も癌で亡くしていますし、亡くなるまでにいろんな意味でできることがある病気と思っていて、この作品で言えば一戸は、なにかを残してやろうって気持ちでもないですが、ステージ4だとわかったあとにSNSを始めます。

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