2023年5月26日 17:00
福島第一原発の最前線、中央制御室を“体験した”俳優・竹野内豊の覚悟。「この作品での自分の役割は“演じる”ことではなかった」
「そうなんです。この作品の骨格の一部になれたら本当に光栄だという気持ちで挑ませていただきました。ですから、自分以外の出演者の方の演技を観ても本当に考えさせられますし、みなさんの演技ひとつ見ても、そこから感じるものがあります」
目の前で起こる状況や瞬間
ほんの一瞬にわきあがる真実を逃さぬように
その想いは実際にセットに入り、撮影を重ねていく中でより強くなっていったようだ。もちろん、竹野内は事前の準備やリサーチをしっかりと行っている。彼が演じた当直長は、中央制御室にいる作業員を束ねる管理職のような立場でありながら、自身も技術者で、極限状態にあっても自分の身をかけて事態を解決しようとする強い意志を持つ人物だ。
『THE DAYS』で1・2号機の当直長を演じる竹野内豊
「当直長のモデルになった方に実際にお会いすることはできなかったのですが、当時、中央制御室にいらっしゃって対応にあたられた遠藤さんが監修として撮影現場にはいらっしゃったので、実際に福島原発でどのような状況下で作業にあたっていたのか、分からないことがあればすぐに質問をして、遠藤さんの話してくださる言葉の中から心理描写の手がかりになるものはないか、ずっと模索していたような気がします」