2023年11月14日 08:00
佐藤寛太が語る映画『正欲』の特異性。「見なければ気がつかなかった視点を植えつけられる作品」
もちろん準備していったものを修正していくこともありましたが、大也としての目線は変えないままだったと思います。
――憧れの存在だと語ってきた、磯村勇斗さんとの共演はいかがでしたか?
佐藤実年齢よりも役の年齢が上ということもあり、懐の深さや包容力を感じました。すごくやりやすかったですし、大也としても俺はここで安心していいんだと思えたんです。最後のシーンも素晴らしかった。共演させてもらったことで、ずっと追いかけてきた方の背中が見えてきたような気がします。
――観終わったとき、“普通”や“多様性”について考える観客の方も多い作品だと思います。
佐藤エンターテイメントにはいろいろな形があって、SNSのショート動画を見て癒されたりすることもあるし、映画を見て笑って日常を忘れることもありますよね。でも『正欲』という映画は、これを観なければ気づかなかった視点を得られる作品だと思います。
その視点に気づかなくても生きていけるし、どうしても必要なものではないかもしれない。でも気づいてしまったからには考えることをやめられない。『正欲』は観た人にその種みたいものを植えて、疑問を投げかける作品だと思うんです。