くらし情報『「俳優が演じることで“本音”に迫ることができる」監督が語る『遠いところ』』

2023年7月12日 12:00

「俳優が演じることで“本音”に迫ることができる」監督が語る『遠いところ』

「撮影の杉村(高之)さんとは昔からの付き合いで、とにかく巧みで的確で、鋭い視点でカメラをまわせる人です。こういう題材の作品だと手持ちカメラで、被写体に寄って感情を切らさずに撮影していくことが多いと思うのですが、そうしてしまうと、時に撮影者や監督の感情が映像に乗っかってしまう。悲しい場面ではカメラが過剰に被写体に寄ったり、見せたくないものがあるとフッとカメラが動いてしまったりする。この映画ではそれは良くないと思いました。だからこの映画では被写体としっかりと距離をとって、ちゃんと計算した美しい構図で主人公のアオイと彼女をとりまく環境を撮っていく。可能な限り俳優の表情を“面”では描かないことも最初に杉村さんと話し合いましたね」

カメラは俳優のちょっとした変化や動きを漏らすことなく捉えていく。さらに本作では彼らの置かれている環境、沖縄の街や、アオイの暮らすアパート、彼女が歩く路地……までが丁寧に描き込まれている。何気なく見える住居や路地も映画ではすべて“作り手が飾り込む/見つけ出した”ものだ。


「今回、美術をお願いしたのは小林蘭さんというお互い助手だった時代からの知り合いなんですけど、本当に優秀な人です。

関連記事
新着くらしまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.