くらし情報『すべてのラブストーリーは“サスペンス”である。パク・チャヌク監督が語る新作『別れる決心』』

2023年2月14日 12:00

すべてのラブストーリーは“サスペンス”である。パク・チャヌク監督が語る新作『別れる決心』

パク・チャヌク監督は常に「人間という存在を相対的に見たい」と思って作品をつくってきたからだ。

人間の存在や感情は単純ではない。様々な要素が混ざり合い、時には矛盾した行動も平気でする。説明のつかない想いが芽生え、時にはそんな感情に支配されたりもする。そして、その姿は深刻であり、同時にマヌケで、時には不条理に見える。

パク・チャヌク監督がキャリアの中で追求してきた“映画のつくりかた”と“世界の見方”は本作『別れる決心』でも貫かれており、本作は非常にシリアスだったり、ロマンティックなシーンが描かれたかと思えば、びっくりするタイミングで笑えたりする。深刻な状況を描いているはずなのに、急に“冷静に考えると、この状況、マヌケじゃないか?”と問いかけてくる。

「私は“深刻な状態”が長く続くことに耐えることができないんですよ(笑)。
また、ひとつの感情だけ、ずっと甘いとか、ずっと幸せとか、ずっと悲しいとか……が長い時間、続くこともよくないと思っています。

私たちが映画をつくるのは、人間という存在を相対的に見たいと思っているからです。なのに単純な感情だけを描いてしまうと、私たちが映画をつくる目標に反してしまうことになります。

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