2021年10月28日 19:20
[Alexandros]、変わり続けるバンドの“今”を伝えた『ALEATORIC ARENA 4 DAYS』武道館公演レポート
川上洋平(Vo / Gt) 撮影:河本悠貴
熱を帯びたバンドの演奏は、そのまま一気に視界を開くように2曲目「ムーンソング」へと続いていく。感染対策で観客の声出しはNGだが、それでも会場中から沸き起こる手拍子がバンドが発する熱が確実に武道館の空間中に伝播していることを伝えている。
続けて「Run Away」、そして「FISH TACOS PARTY」へ。その覚醒感のある演奏とサイケデリックな、シュールな、ポップな、SFチックな……そんな、なんとも形容しがたい独創的なバックスクリーンの映像が相まって、[Alexandros]にしか生み出せないドープな極彩色の空間が生み出されていく。
続く「Beast」では、そのグルーヴィな演奏に合わせて歌詞がタイポグラフィとなってスクリーンに映し出される。今、武道館には音が、言葉が、色が、溢れている。肉体も、精神も、目の前にいるバンドに満たされていくのを感じる。
スケールの大きな演奏が響いた「Girl A」、そして曲が始まると声が出せないながらも客席の人々が腕を上げて一体感を生み出した「アルペジオ」と、包容力を持った楽曲を続けて演奏すると、会場には雨音のサンプリング音が聴こえてくる。