2021年10月28日 19:20
[Alexandros]、変わり続けるバンドの“今”を伝えた『ALEATORIC ARENA 4 DAYS』武道館公演レポート
始まったのは「Thunder(Bedroom Joule ver.)」。去年リモート制作されたコンセプトアルバム『Bedroom Joule』に収録されたこのバージョンは一見、陰鬱でダークな世界観を描くが、その深く重い音世界は不思議と心に安堵をもたらすような穏やかさと浸透力も持っている。続けて「Swan」では、肉体的なグルーヴが水たまりの表面をまだらに反射する光のようにキラキラと会場を揺らす。
撮影:河本悠貴
その後、川上が「一昨日、お誕生日だった後ろの人に 」と、10月25日が誕生日のリアドを振り向きアコギで「Untitled」を少し奏でると、続けて白井と共に自身が出演する『Panasonic×花王「#センタク」』のCM曲を少し演奏するサプライズも。
そして「この曲は、できれば手拍子はなしでお願いします。他の曲は全然いいんです。でも、次の曲はうちらだけのビートで皆さんに届けたいので」と川上が観客に向けて語り、始まったのは「Travel」。このMCのあと演奏が始まるやいなや、すぐに演奏を止めて「すいません、もう1回」とやり直す姿には微笑ましい愛嬌を感じたが、そんな「ありのまま」な姿も含めて、安易な一体感を求めるのではなく、ひとえに自分たちの生き様と孤独を聴き手に届けようとするバンドの姿に胸打たれる。