2022年4月29日 12:00
ポーラ美術館、過去最大規模のコレクション展『モネからリヒターへ ― 新収蔵作品を中心に』 20年にわたる美術館活動の集大成的展覧会
ゲルハルト・リヒター《抽象絵画(649-2)》は、リヒターの代表的なシリーズ「抽象絵画」の代表作の一つ。巨大なキャンバスに、スキージ(へら)で塗り、そして削られた絵の具が複雑な層となっている。
ポーラ美術館の代表作のひとつ、モネの《睡蓮の池》と並べると調和しあっているように見えるから不思議だ。
左:ゲルハルト・リヒター《抽象絵画(649-2)》1987年右:クロード・モネ《睡蓮の池》1899年 いずれもポーラ美術館蔵
ゲルハルト・リヒター《抽象絵画(649-2)》1987年(部分)ポーラ美術館蔵
展示風景より
また、リヒターの作品は、ハマスホイとも調和する。「ハマスホイとリヒター」と名付けられたセクションでは、デンマークの画家、ヴィルヘルム・ハマスホイの《陽光の中で読書する女性、ストランゲーゼ30番地》と、ゲルハルト・リヒターのフォト・ペインティングシリーズの一点《グレイ・ハウス》の2作品のみが展示されている。
室内を描いたハマスホイと室外を描いたリヒター、国も時代も異なる画家の作品だが、どちらも静謐で、呼応しあっているように見える。
左:ヴィルヘルム・ハマスホイ《陽光の中で読書する女性、ストランゲーゼ30番地》1899年右:ゲルハルト・リヒター《グレイ・ハウス》1966年いずれもポーラ美術館蔵 Photo (C)