くらし情報『生誕90年篠田正浩監督、坂東玉三郎主演『夜叉ヶ池』4Kデジタルリマスター版を語る』

2021年7月6日 07:00

生誕90年篠田正浩監督、坂東玉三郎主演『夜叉ヶ池』4Kデジタルリマスター版を語る

篠田正浩


日本映画のレジェンド、篠田正浩監督が坂東玉三郎を主演に泉鏡花の世界を映像化した『夜叉ヶ池』が4Kデジタルリマスターで、実に42年ぶりにリバイバル公開、Blu-rayも発売。さらに今年のカンヌ国際映画祭クラシック部門(カンヌ・クラシックス)で上映が決定した。篠田監督はことし90歳。「生誕90年祭」として、その代表作のレトロスペクティブ上映も行われる。

戦後すぐと今のコロナ禍の状況はまったく同じ

「僕が生まれたのは1931年。満州事変の年です。それから中国との十五年戦争が始まった。パールハーバーは小学5年生のとき。
正に戦争一色の戦時下で幼年期・少年期を過ごしました。

僕の母は9人の子供を生みましたが、戦争中の、僕が12歳のときに二番目の姉が結核で亡くなり、その下の姉もそれに感染しました。このままでは篠田家の子供は結核で滅んでしまうと思った母は、牛の内臓を買ってきて僕たちに食べさせた。戦後すぐにペニシリンが普及して結核の脅威は少し治まったけれど、その状況は今のコロナ禍とまったく同じです。

僕はことし90歳になった。渋谷のユーロスペースで始まる〈篠田正浩監督生誕90年祭〉はそのお祝いだと思っている。

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