くらし情報『小林私、予定調和無しの〈独演会〉で放った自由さと説得力 初バンドセットで挑んだ"8曲"ワンマンレポート』

2021年3月2日 14:00

小林私、予定調和無しの〈独演会〉で放った自由さと説得力 初バンドセットで挑んだ"8曲"ワンマンレポート

とか、そういうミュージシャンが言いがちなMCを一切しない。そのかわりに、じつは今日は五美大展(東京の美術大学の合同卒業制作展)の片付けの日で、現役美大生でありその五美大展に出展している小林も本来はその片付けに参加しなければならない(「こんなことしている場合ではない」とまで言っていた)、そっちに行っていたほうが朝ゆっくり寝られたのではないかと愚痴ってみたり、この日行われていた生配信に触れて「(コメントは)あとで見たり見なかったり、三谷幸喜」と渾身のギャグで滑り倒したりするのである。本当、何なんだ。

小林私、予定調和無しの〈独演会〉で放った自由さと説得力 初バンドセットで挑んだ"8曲"ワンマンレポート


「風邪」も「HEALTHY」もそうだし、次に演奏された「悲しみのレモンサワー」もそうだが、彼の楽曲にはどこか孤独の影がある。「スープが冷めても」を挟んで演奏された恵まれた日と書いて「恵日」などはその真骨頂みたいな曲だ。切迫感をもった歌声と鋭いロックサウンド(生のバンドアンサンブルによってその鋭さがいっそう際立つ)が、オーディエンスを一気に惹き込んでいく。「ライブが終わったら何を喋ったか忘れる」ということを彼は言っていたが、それでいえば、こうしてライブを観ている我々も、曲に入ったその瞬間にそれまで展開していたゆるゆるのトークのことをさっぱり忘れてしまうのである。

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