2023年5月19日 18:00
【ライブレポート】Laika Came Back、約4年ぶりの対面ライブ「再会の時」
(個人的な話で恐縮だが、筆者が彼の歌を生で聴いたのは、AIR時代以来、約20年ぶりだった。前述した通り、LCBはメディア露出がほとんどなく、音楽ライターとして関わる機会も皆無だった。
それはおそらく、従来の音楽ビジネスの在り方と距離を取り、音楽家として真摯に作品作りに取り組み、リスナーと直につながりたいという車谷のスタンスによるところが大きいのだと思う)
18時30分を少し過ぎたころ、“再会の時”はスタートした。ステージの真ん中に置かれたマイクスタンドに光が当てられ、アコースティックギターを手にした車谷が登場。丁寧にお辞儀をした後、天空を仰ぐように上を向き、アコギのボディを叩き始めた。ルーパー(楽器やボーカルのフレーズを録音し、ループ再生できるエフェクター)でギターのフレーズを重ねながら、その場でトラックを作成。心地よいサウンドスケープが広がるなか、〈空の青さを知った/渡り鳥は歌う〉という言葉を響かせる。
オープニングは、「新緑の候」。爽やかさと奥深さを内包したボーカルがまっすぐに届き、会場は早くも大きな感動で包まれた。さらにアコギのアルペジオから「桜花」へ。
“大切な人に会いにいこう”という思いを綴ったノスタルジックな雰囲気の楽曲に耳を傾けていると、自然と自分自身の人生や家族のことを思い出してしまう。