くらし情報『国立劇場の文楽公演が開幕、『心中天網島』など3本を上演』

国立劇場の文楽公演が開幕、『心中天網島』など3本を上演

の苦しみや、正妻ながら一度も本当の妻になれなかったお園の胸中が切ない。半七と三勝が心中へと向かう〈道行霜夜の千日〉は、東京では44年ぶり。文楽ファンにとってもなかなか観ることができないレアな公演だ。

『嬢景清八嶋日記』は、源平合戦での活躍で名を馳せ、平家物語などさまざまに語り継がれている藤原景清を主人公とした物語。平家滅亡後、頼朝暗殺に失敗して捕らえられた景清は、源氏の世など観たくないと自らの目をえぐってしまう。零落し日向の国(宮崎県)で暮らす盲目の景清を案じ、娘がやってくるが景清は親子関係すら否定。長い間会っていなかった父を助けたい娘の一念と、男の生き様を孤高に貫こうとする景清の強いプライドがぶつかり合う場面には、ギリシャ悲劇にも似た壮絶さが感じられる。この『嬢景清八嶋日記』の元になったエピソードは、11月に同じ国立劇場の大劇場で、『孤高勇士嬢景清(ここうのゆうしむすめかげきよ)―日向嶋―』と題し、中村吉右衛門主演の歌舞伎としても上演されるので、歌舞伎と文楽を見比べるのも面白いだろう。
文:仲野マリ
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