2022年9月29日 16:00
“心が震える”ものをひとつ持っていれば良い舞台は作れる ネルケプランニング 野上祥子社長インタビュー ぴあ演劇学校 2022年秋季特別講座
とはいえ、漫画そのものが巨大なコンテンツ産業を形成している現在、原作側との密なすり合わせが必要になればなるほど、原作者側の意図や担当編集者、掲載媒体、出版社の方向性、さらにIPビジネスへの細かな目配りも必要になってくる。
「権利関係を管理している出版社側が大切にしているポイントというのは当然あって、一方ネルケとしても舞台のプロとして、立ち上げる際にどうしても譲れないポイントというのはあるわけです。他にも出演者やお客様にも大切なポイントがあって、それをよくある多角形を線で結んだグラフで表したときに、私はどこかの指数が大きくてどこかの指数が低い、いびつな多角形ではなくて、限りなく○(丸)、輪に近づけたいと心に留めています。
最後に、これから業界を目指す人に向けてメッセージをお願いしてみると。
「おかげさまでここ数年は、ネルケに入社したいという方のほとんどが、『2.5次元ミュージカルを観ました』と言ってくださるようになり、本当にありがたい限り。ただ一方で、舞台制作は必ずしも舞台をたくさん観ている人でなくてもいいと思っていて……。たとえば映画ファンや相撲ファン、テーマパークが好きなど、“心が震える”ものをひとつ持っている人、そういう経験をしたことがある人なら、きっと幅広いエンタテイメントにつながると信じています。