2022年1月20日 00:00
【ライブレポート】宇多田ヒカル、最新作の数々をバンドセッションで初披露「奥の方の特別な空間を初めて共有できた」
このライブセッションを鑑賞することはとてもぜいたくな体験だろう。
演奏されたのは11曲。ニューアルバム『BADモード』収録の9曲とUtada名義のアルバム『Exodus』収録の2曲という内訳だ。
スタジオの扉が開いて、ミュージシャンたちがスタジオの中に入ってきた。最後に入ってきたのは宇多田ヒカルだ。ドラムとパーカッションは透明の仕切のあるブースの中にいるが、演奏している様子は見えるので、ミュージシャンそれぞれの表情や雰囲気も伝わってくる。
宇多田ヒカルが肩を回して準備体操をし、「キーキーキー」という動物の鳴き声のような声を出すと、サックスとギターがその声を真似て音を出す。スタジオ内にはリラックスした柔らかな空気が漂っていた。
だが、彼女の歌が始まると、全員が素晴らしい集中力を発揮して音楽を奏でていく。1曲目はアルバムタイトル曲「BADモード」。
楽器編成はギター、ベース、ドラム、パーカッション、ウーリッツァー、サックス。曲によって、楽器が変わったりもするのだが、基本的には6人、曲によってはピアノでもう一人加わって7人のメンバーでの演奏。歌も演奏も繊細で緻密でかつ自在。グルーヴィーな演奏とともにあの独特の歌声がじわじわと体の奥に届いてくる。