2022年3月14日 18:00
牧島 輝が語る『サロメ奇譚』 「今後『サロメ』に触れる度、朝海ひかるさんを思い出す」
と表現されていたり、原作でのキャラクター像が強く残っています。この作品の中でも少し異質な存在ですね。
はい。他の皆さんの言葉は現代語なのですが、ヨカナーンは『サロメ』の難しい言葉をそのまま使うような役です。だから、現代でこの言葉遣いをするって、どんなふうに育ってきたんだろう?みたいなことを考えてもいます。そういうところが面白さになると思いますし、僕にとって挑戦になるのかなと思います。
――どんな風に育ったらこの言葉遣いをするのかって面白いですね。
原作『サロメ』ではヨカナーンは王に囚われるんですけど、『サロメ奇譚』では日本のどこかの社長の家での話ですからね。
その規模感とか、ヨカナーンが自らヘロデの家に足を運んでいることとか、脚本に書かれているいろんな情報が、今は僕の中でまだ“点”の状態なんです。その点と点を繋げていく作業をこれからやっていきます。繋がり始めたら早い気がしています。
――脚本にヨカナーンは「不思議で魅惑的な声」と書かれていました。
そうなんです! ハードルが高い。僕が喋って、サロメは雷に打たれたような感覚になるんですよ!? どうしたらいいんだろうと思って。
――(笑)。