秋田の夏の終わりを告げる風物詩 高橋優、主催フェス『秋田CARAVAN MUSIC FES 2024』オフィシャルレポート
トルコアイス男爵という謎のキャラ、いまいちやる気のないTシャツ&ジーパン姿のアンパンマン……嘘だとわかっていても引き込まれる話芸の迫力に、最初の話もネタなのではないかと、キツネにつままれたような気持ちになった。
一際大きな歓声に迎えられてステージに登場したのは斉藤和義。1曲目は「ずっと好きだった」。8ビートのロックンロールは時代に関係なくいつでも圧倒的に正義だ。「デビュー時のディレクターさんが能代出身でした。ACMFにやっと来れました」。ギターを手にした時の初期衝動を詰め込んだような「Boy」を聴いて、会場にいる、特に地元の若いオーディエンスは何を感じただろう。能代に斉藤和義が来たんだぜ、おれは雨の中それを見たんだぜ──そうした衝動を起こすことこそ、高橋優がACMFを開催している理由のひとつだ。
3ピースのロックバンドにしか出せないソリッド、かつ荒々しい音で奏られた「歌うたいのバラッド」「歩いて帰ろう」が能代の大地に染み渡った。
賑やかに登場したニューヨークが「まだ歩いて帰らないで!」と斉藤和義の曲を引用しながらオーディエンスに呼びかける。披露したネタは、悪そうな高校に赴任した高校教師がヤンキーの生徒を更生させるというもの。