2024年1月5日 18:00
京都、福岡を経てついに開幕。 『シラの恋文』東京公演で見せる、 草彅剛の成熟
北村想作・寺十吾演出の『シラの恋文』が、京都公演、福岡公演を終えて東京で幕を開ける。人が持つ美しさが描かれたようなこの作品世界をまさしく体現しているのは、サナトリウムにやってきた志羅を演じる草彅剛。作品の捉え方や演じている実感に、役者としてはもちろん、人としての魅力も見えてくる。
1回1回が濃密な舞台
──昨年12月に京都公演で幕が開いて、この取材時は福岡で公演中です。本番をやってみての率直な感想から聞かせてください。
舞台ってやっぱりお客様が入って完成するものなんだなと思います。そしてやっぱり毎日更新されていくものなので、自分で「日に日によくなっているな」ってボソッとつぶやいてしまうくらいなんです。今までたくさん稽古してきたというみんなの強い気持ちがあるからこそだと思うんですけど、1回1回が本当に濃密で。
会場に来てくれるお客様を含め、みんなでいいものが作れているなと感じています。
『シラの恋文』より(撮影:宮川舞子)
──ここのところ舞台では音楽劇が続いていましたが、久しぶりの会話劇はいかがですか。北村想さんの戯曲に描かれている会話のやりとりや、演じられる志羅という役のセリフに、どんな面白さを感じておられるでしょうか。