オーディションで語られるダンサーたちのリアル 『コーラスライン』来日公演が上演中
「もし踊れなくなったらどうする?」。そのアンサーともなるナンバー「愛のためにしたことは」についてバーヨークはこう解説する。「それぞれのキャラクターには、それぞれのストーリーがあるわ。たとえば、私が演じたコニーは、⽥舎に⾏って⾷べるのを楽しんで太ってやる、そして⼦どもを産むと⾔うの。ハリウッドに⾏ってスターになると⾔うキャラクターもいるわ。この曲で伝えたいのは、ダンサーにもそれぞれの⼈⽣があるということ。この曲はダンサーへのアンセムのようなものよ。⼦どもの頃、ダンスを始める時、この仕事でいくら稼げるか考えないわよね(笑)。
ダンスするのが楽しくて愛しているからこそ踊っていた──そういうナンバーよ」。
『コーラスライン』は、オリジナルキャスト本⼈のエピソードをもとに作られた、ダンサーのリアルを⾒せるミュージカルだ。初演から半世紀近い時間が流れ、時代は⼤きく変化したが、夢を追うダン サーたちの情熱はきっと変わらない。なんといっても、来⽇公演を率いるのは、オリジナルキャストのひとりであるバーヨークである。また、キャストはアメリカでのオーディションを勝ち抜き、作中のダンサー同様、ブロードウェイを⽬指す俳優たちだ。