くらし情報『同志と感じている成河と藤田俊太郎が届ける繊細な再生の物語『ラビット・ホール』』

2023年3月22日 17:00

同志と感じている成河と藤田俊太郎が届ける繊細な再生の物語『ラビット・ホール』

夫婦を取り巻く人々が、日々の会話の中で、自分たちのこの先の人生を見つけていく。『ラビット・ホール』というタイトルが示している通り、今自分たちが落ちてしまった穴とは別の、あり得たかもしれない穴を探していくわけです。その意味では、日常こそ劇的であるとも言えるかもしれませんが、会話の一つひとつが重層的、多層的に解釈できて、悲劇的でもあり喜劇的でもあることが魅力だと思います。しかも、答えを出していないんですね。登場人物の思いだけを伝えている。そこに深みを感じ、その深みの向こう側に到達したいなと思い続けてきました。だから、言葉を突き詰めるほど、役を掘るほど、自分たちの個やこの座組の解釈を追求するほど、それが普遍化され社会化され、お客様自身の人生の物語になる。この登場人物たちは観る方の人生のどの瞬間にもいる人間であるというふうに思っています。
俳優の皆さんには生々しく舞台上を生きていただきたいと思っています。

同志と感じている成河と藤田俊太郎が届ける繊細な再生の物語『ラビット・ホール』


──その中で成河さんは、息子を亡くした夫婦の夫・ハウイーを演じられます。

成河稽古前(取材時)の今の段階で大切にしたいのは、本に書かれている情報をきちんと整理しておくことなので、役についての意見はまだありません。

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