くらし情報『歌舞伎の多彩な魅力を。師走を彩る豪華ラインナップで上演 歌舞伎座新開場十周年「十二月大歌舞伎」』

2023年12月4日 12:00

歌舞伎の多彩な魅力を。師走を彩る豪華ラインナップで上演 歌舞伎座新開場十周年「十二月大歌舞伎」

で上演された記念碑的な作品で、この度は獅童の次男・小川夏幹が初お目見得することでも話題の舞台。さらに、中村勘九郎と中村七之助が超歌舞伎に初出演。見どころ満載の一幕だ。冒頭では、獅童に続いて、今回更なる進化を遂げた「獅童ツイン」が姿を現し、バイリンガルに獅童の同時通訳を務めて客席からは驚きの声が上がった。

物語の幕が開くと、御神木の千本桜のもとで桜の節会が執り行われている。白狐の尊(中村獅童)、朱雀の尊(中村勘九郎)、舞鶴姫(中村七之助)、初音の前(中村蝶紫)らが居並ぶ華やかさ、満開に咲き誇る桜の美しさに目を奪われる。ここへ千本桜を我が物にしようとする青龍が襲い掛かるが、白狐と初音の前の娘・美玖姫はそれぞれ狐と蝶に姿を変えて落ち延びていくのだった……。物語は、それから千年後へ――。
美玖姫と青龍の精(澤村國矢)、白狐の生まれ変わりである佐藤四郎兵衛忠信(獅童)と青龍による立廻りの場面は、客席も巻き込むような大迫力。陽櫻丸(小川陽喜)と夏櫻丸(小川夏幹)のふたりが花道から元気いっぱいに登場する場面では、昨年1月に初お目見得して以来の歌舞伎座出演となる陽喜が、溌剌とした台詞で成長ぶりを見せ、夏幹は力強くも可愛らしい名乗りと見得で観客を魅了した。

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