井上芳雄×小池栄子インタビュー こまつ座『日本人のへそ』上演にむけて
――演出の栗山さんへの期待、稽古場で楽しみにしていることは?
井上栗山さんは本当に井上ひさしさんのことを熟知されているし、この『日本人のへそ』を「一番好きな戯曲だ」とおっしゃっていたから、思い入れはさぞ大きいだろうとちょっと怖くもありますけど(笑)。栗山さんが井上作品を手がける時の稽古場では、いつも「井上ひさしエピソード」をお話してくれるんです。またそれが聞けるんじゃないかなと楽しみにしていますね。きっと、井上ひさしさんも一緒にいるような稽古場になるんじゃないかなと思います。
小池『それからのブンとフン』の時の栗山さんは、ニコニコされている時もありますけど、やっぱりジ〜ッと見られている時の緊張感がすごくて。「ヒントはあげたけど、キミがどこまで出来るのか見せてごらん」みたいな(笑)。その時に、もっともっと突き詰めたかったのに出来なかった……という悔いがあったんです。怖いという意味ではなくて厳しい方という印象はあります。
稽古場でこの人が何を学んで、自分自身に何を見つけて、お客様に対してどう見せたいのか……、そういったことを個人個人に対してすごく細やかに見てくださる方なので。こうすればこうなるだろう…なんて小手先な考えは絶対に許されないだろうなと。