2023年7月19日 12:00
【酒井法子インタビュー】35周年記念ベストアルバムをリリース「どの曲にも思い出があるし、生きてきた軌跡が鮮明な色で記録されている」
そうですね。役に自分を投影できたのが大きかったんだと思います。私、特別お芝居が得意だと思っていませんでしたし、セリフを一度噛んでしまうとそれまで覚えてたものが真っ白になっちゃうタイプだったんです。でも、ちょうどそのときに『星の金貨』でセリフを言わなくていい役をいただいて。
まず台本にすごく共感できて、初めて自分の心が震えたんです。だから演じることが楽しかったですし、かつセリフがないぶん体を使って表現できるようになって、それが自分にとってすごく転機になったんですよね。特に手話って、相手の目をみてやらないと伝わらない。
そのおかげで、演じながら余計なことを考えなくなったんです。
お芝居は自分の心が動かなきゃ伝わらないし、心が動くってこんなに楽しいことなんだなってことを知りました。若い頃にそういう作品との出会いを持てて、本当に良かったと思っています。
──活動歴が長くなるにつれ、目の前のお客さんにリアルタイムで歌や演技を披露することが増えたように思います。舞台に立つにあたり、心がけていることはありますか?
私、どちらかというと舞台とか生のコンサートのほうが好きなんです。それもきっと、わぁっと全部出し切ってしまうほうが、細かいこと考えないで済むからなんですよね。