TK from 凛として時雨「音楽っていいなと思ってもらえたら」 「Acoustique Electrick Session vol.2」ライブレポ
徐々に会場が暗くなり、サウンドスケープの音が微かに聴こえる中、拍手とともにサポートメンバーがステージにあがると、ちゃんMARIによるピアノの氷のような旋律が響く。静まり返った会場にひんやりとした空気が漂うと、TK×suzuki takayukiのワイドパンツを着こなしたTKがステージの袖から舞台中央に登場した。
ダークトーンで統一された衣装は、青い照明がよく映える。BOBOのバスドラムが正確に低音リズムを刻み「Dramatic Slow Motion」でライブがスタートした。TKの声は直線的に伸び、一音一音丁寧に発する旋律は、肉声というよりも弦楽器のようだ。
一瞬の沈黙の後、「凡脳」へと続く。ステージは赤色に染め上げられ、疾走感がBillboardを包んだ。堅強な低音に支えられながら、ヴァイオリンとTKの歌声の高音が妖艶に絡む。
色気とは、危うさを孕むのだと実感させられる。続いて披露されたのは、アコースティックライブらしさが全面に出た「reframe」だ。ピアノの情感溢れる「contrast」と続き、しばらくの沈黙の後「katharsis」へと流れていく。吉田一郎不可触世界のウッドベースが官能的に響き、BOBOの力強いドラムが支える上に、ちゃんMARIのピアノ、須原杏のヴァイオリンの高音が乗る。