TK from 凛として時雨「音楽っていいなと思ってもらえたら」 「Acoustique Electrick Session vol.2」ライブレポ
TKは重なり合う音を噛みしめるように目をしっかりと閉じて歌声で彩る。計算されたバランスで駆け上がっていくように熱量をあげた瞬間、フッと曲の終りを迎える。
アクシデント的に客席からカトラリーが落ちる音がすると、TKはステージの上から「大丈夫ですか」と声をかけた。整然と並んだ客席を見渡し、「まさかこういうスタイルだとは思わなかったので、オーディションに来たような気持ちですけれど、音に乗らないと僕たちがつまらないというわけでもないので、静かに見てもらって大丈夫です…よろしくお願いします」と笑いを誘う。
「Shinkiro」では、ちゃんMARIの伸びやか且つ抑制の効いた歌声がTKの声と付かず離れずの掛け合いを見せ、「蝶の飛ぶ水槽」ではエレガントな雰囲気から一転、エレクトリックなSEによって会場は様変わりした。青く光が当てられたステージは、まるで水の中のようにメンバーを照らし、静かな狂気を感じさせる。曲が終わるとTKはギターを置き、ピアノに身を任せるように「片つ」を歌始める。音が少ない分、会場全体を包む自然音が際立ち、寂寞の情を催した。
再びTKがギターを持つと、それぞれのパートが不均衡にメロディーを奏で始め、「I’m a Hero」