TRICERATOPS、活動休止前最後のライブツアー開幕「デビューして27年、今でもこうした景色が見られてとても幸せ」
ベスト・オブ・ベストと言いたくなる構成である。しかも、どの曲もライブ映えする。“観客に喜んでもらいたい”“楽しんでもらいたい”という3人の思いが真っ直ぐ伝わってくるセットリストなのだ。そしてまた、27年の歴史の中でのターニングポイントとなった曲が演奏されることによって、バンドの足取りが見えてくる瞬間も多々あった。
懐かしさのあまり、感極まった人もたくさんいただろう。ただし、懐かしさとともに新しさが加わっているところが、TRICERATOPSのTRICERATOPSたるところだ。新たなアレンジが施されている曲も目立っていた。ブルージーなセッションを導入部として始まったナンバーでは、グルーヴィーかつファンキーな演奏にしびれた。
ブレイクの瞬間にも、大きな歓声と拍手。デビューから27年、進化し続けてきた証しとして、“2024年のTRICERATOPS”がステージの上に存在していたのだ。自在なセッションが入ってくるところも、彼らのライブの醍醐味だ。吉田を頂点として、上手に和田、下手に林。その3人の形成している三角形が自在に形を変えていく。大きくなったり、小さくなったりする、その三角形の動きに見とれてしまう瞬間もあった。