2024年2月5日 12:00
珠玉の逸品!伝説の巨匠ビクトル・エリセ31年ぶりの新作『瞳をとじて』【おとなの映画ガイド】
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映画史上の名作『ミツバチのささやき』から50年、前作『マルメロの陽光』から31年。寡作の巨匠、ビクトル・エリセ長編第4作目になる『瞳をとじて』が2月9日(金)、日本公開される。昨年開催された第76回カンヌ国際映画祭カンヌプレミア部門で上映され、世界中のファンを歓喜させた待望の新作は、記憶をめぐる、人生のミステリー。
『瞳をとじて』
主演の人気俳優が失踪し、撮影が中断され、お蔵入りとなった『別れのまなざし』というスペイン映画の、わずかに残された映像が映し出される。パリ郊外の富豪の邸宅、この家の主人が、上海で行方不明になった娘の捜索をある男に依頼する、そんなシーン。
撮影は始まったばかりだった。俳優の名前はフリオ・アレナス(ホセ・コロナド)。現場近くの海に面した崖に、そろえて置かれた彼の靴が発見され、投身自殺と推定されたが、遺体はみつからなかった……。
それから22年。