【レポート】高橋和也、千葉哲也らキャスト8名が好演 こまつ座『連鎖街のひとびと』
撮影:宮川舞子
もがきながらも軽妙な笑いを忘れない、連鎖街に取り残された人々
どこかの建物の、半地下と思しき部屋にいる男たち。ひとりは塩見利英(高橋和也)、もうひとりは片倉研介(千葉哲也)。彼らは各々「大連のシェイクスピア」「大連のモリエール」と自称している演劇人なのだが、彼らの世話をしている陳鎮中(加納幸和)の目を盗んでここから脱出しようと企んでいる。
左より)霧矢大夢、高橋和也、加納幸和、千葉哲也撮影:宮川舞子
つい先日まで「満州国」と呼ばれていた中国東北部で、交通の要所として栄えた大連。その目抜き通りだった連鎖街にある今西ホテルの地下室で、彼らはソ連軍のために芝居を書かされているのだ。だが台本の執筆は遅々として進まず……。
井上ひさし・脚本、鵜山仁・演出で2000年に初演、2001年に再演された本作。今回は21年ぶりの上演となった。11月9日(木)~12月3日(日)東京・紀伊國屋サザンシアター、および12月の山形公演・群馬公演、さらに2024年1~2月の全国演鑑連中部・北陸ブロック公演に先立ち、11月8日(水)に行われたゲネプロの模様を紹介する。
左より)霧矢大夢、高橋和也、加納幸和、千葉哲也撮影:宮川舞子
幕開けは、観客にも近しい状況で言うならば宿題がまったく終わっていない夏休み最終日。